Flunarizineの誘発眼振および膜蝸牛血流速度に対する作用について
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概要
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誘発眼振および膜蝸牛血流速度に対するflunarizineの作用をcinnarizineおよびdiphenidolと比較検討した.1) 温度(冷水)刺激によって誘発されるウサギの眼振(眼振数および持続時間)に対して,flunarizineは5mg/kg i.v.で有意な抑制を示し,cinnarizineおよびdiphenidolは5mg/kg,i.v.で軽度に眼振数を減少させた.2) 視覚刺激によって誘発されるウサギの眼振に対して,flunarizineは2.5mg/kg,i,v.で眼振電位を有意に減少させ,cinnarizineおよびdiphenidolは,それぞれ5mg/kg,i.v.で抑制した.3) 外側膝状体の電気刺激によって誘発されるウサギの眼振に対してflunarizineは,用いた5mg/kg,i.v.までの用量では作用を示さなかった.4) 麻酔モルモットの膜蝸牛血流速度に対して,flunarizineは血流速度を用量依存的(0.312〜1.25mg/kg,i.v.)に増加させた.一方cinnarizine(0.625〜2.5mg/kg,i.v.)およびdiphenidol(0.625〜2.5mg/kg,i.v.)のいずれも膜蝸牛血流速度を増加させたが,同用量でその作用持続をflunarizineと比較するとcinnarizineおよびdiphenidolの作用は短かった.以上のように,flunarizineは温度刺激および視覚刺激による実験的誘発眼振を抑制した.膜蝸牛血流速度の増加が認められたことから,前庭器における血流改善が眼振抑制に重要な役割りをはたしていると推察された.
著者
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中溝 喜博
協和醗酵工業株式会社四日市研究所
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塩崎 静男
協和発酵工業 医薬総合研究所
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久保 和博
協和醗酵工業 医薬研
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周藤 勝一
協和醗酵工業株式会社・富士研究室
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塩崎 静男
協和醗酵工業医薬研究所
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塩崎 静男
協和醗酵工業(株)医薬研究所
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周藤 勝一
協和醗酵工業(株)医薬研究所
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中溝 喜博
協和醗酵工業(株)医薬研究所
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久保 和博
協和醗酵工業(株)医薬研究所
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