受身皮膚アナフィラキシーモデルにおけるKP-136のアレルギー反応抑制作用
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概要
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KP-136の薬理特性をモルモットとラットの皮内反応モデルを用いて検討した.KP-136は静脈内投与と経口投与のいずれの投与経路でも,受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応を強く抑制した.しかしながら,その作用には明らかな種差が認められ,KP-136はモルモットよりもラットのPCA反応に対して強い抑制作用を示した.3種のアレルギー反応とcompound 48/80による皮内反応の4種のラットモデルのうち,KP-136はIgE抗体とIgGa抗体によって惹起される2種のhomologous PCA反応に対して著効を示した.その50%抑制量は,静脈内投与では0.2mg/kgから0.4mg/kgであり,経口投与では0.5mg/kgから0.9mg/kgであった.KP-136は,ラットPCA反応の主要なchemical mediatorsであるhistamineやserotoninの皮内反応に対しては,ほとんど影響を及ぼさなかった.しかし,KP-136はPCA反応によって惹起される肥満細胞の脱顆粒反応と皮膚histamine含量の減少を明らかに阻害した,また,KP-136はアレルギー反応によるラット腹腔滲出細胞からのhistamine遊離に対し低濃度で阻害作用を示し,その50%抑制濃度は5ng/mlであった.これらの結果は,KP-136が経口投与で強いPCA反応抑制作用を示す物質であり,その作用機序が肥満細胞からのchemical mediator(s)の遊離の阻害であることを示している.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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市川 清之進
科研製薬(株)・創薬研究所
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肥山 良之
科研製薬(株)・開発研究所
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栗山 澄
科研製薬(株)中央研究所
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吉中 一朗
科研製薬(株)中央研究所
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伊藤 清
科研製薬(株)中央研究所
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北田 繁樹
科研製薬(株)京都研究所
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市川 清之進
科研製薬(株)京都研究所
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吉中 一朗
科研製薬(株)京都研究所
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伊藤 清
科研製薬(株)京都研究所
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肥山 良之
科研製薬(株)京都研究所
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栗山 澄
科研製薬(株)京都研究所
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