種々Agonistsの犬摘出血管収縮作用に対するAdenosine化合物の影響
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概要
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犬摘出血管条片標本を用い,種々なagonists(KCl,norepinephrine(NE),angiotensin II(Angio),BaCl<SUB>2</SUB>,ATP)および経壁電気刺激による収縮反応におよぼすadenine(Adn),adenosine(Ads)化合物の影響を検討した.Adsはこれらのagonistsによる血管収縮反応を用量依存的に抑制したが,その程度は,NE,Angio,経壁刺激に対するものの方が,KCl・BaCl<SUB>2</SUB>に対するものより大であった.AMPはAdsとほぼ同等の効果を示し,ATPはこれよりやや弱く,cyclic AMP,dibutyryl cyclic AMPでは抑制効果はさらに小であった.一方Ba収縮に対し,ATPは他のAds化合物と異なり,逆にこれを増強した.他方,K脱分極筋におけるCa収縮に対しては,いずれのAds化合物も抑制的に働き,申でもAdn,Adsによる抑制が大であった.ATPによる収縮に対しては,AMP,dibutyryl cyclic AMPはある一定濃度においてこれを増強し,Ads,cyclic AMPは殆んど効果を示さなかったが,Adn,ATPはこれを抑制した.特にATP反復適用ではtachyphylaxisがみられ,適用時間間隔が5分,10分の場合より,20分の場合の方が強い収縮抑制を示した.Adnがこれらのagonistsおよび経壁電気刺激による収縮に対し,Adsと同等あるいはさらに強い抑制効果を示すことから,Ads化合物の抗agonist作用の基本はAdn骨格にあり,またこれら化合物の抑制機序はCaの膜透過抑制ばかりでなく結合Caの遊離抑制も関与しているものと推測された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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