Adenosine化合物の二〜三臓器血管床に対する効果および腎動脈閉塞解除後の血流変動に対するdilazep,theophylline,indomethacinの影響
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概要
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(1)犬を用いAdenQsine(Ads)化合物の,2〜3臓器血流におよぼす作用を腎を中心として検討した.Ads,AMPの動脈内投与により,上腸間膜動脈血流(MBF),大腿動脈血流(FBF)は一過性に増加したが腎動脈血流(RBF)は,逆に一過性の減少を示した.このRBF低下作用は,後に緩徐なRBFの増加を伴なった.これに対し,ADP,ATPの動脈内投与によっては,これら3部位の血流はいずれも一過牲の増加を示した.冠血管拡張薬dilazep(30μg/kg)をi.v. 投与した後,Ads. AMPのRBF低下作用,MBF,FBF増加作用は有意に増強されたが,ADP,ATPの血流増加作用は全く影響を受けなかった.Theophylline15mg/kgのi.v.投与はAds.AMPの作用を著明に抑制したが,ADP ATPの作用に対しては無効であった.さらに,indomethacin(2〜5mg/kg)のi.v.投与は,Ads,AMPのRBF低下作用,MBF,FBF増加作用,ADP,ATPのこれら3者に対する増加作用いずれにも影響を与えなかったが,Ads,AMPによるRBF低下後の一過性血流増加作用は消失した.(2)腎動脈閉塞解除後の反応性血流変動について検討した.閉塞解除後のovershootの次に現われる虚血は閉塞時間の長さに影響され,30秒の閉塞の場合が最大であったが,その次に現われる充血は閉塞時間に影響されなかった.Dilazep(30μg/kg)のi.v.投与は閉塞解除後の反応性虚血を有意に増強し,また充血のpeakに達する時閻を著明に延長した.この反応性虚血はtheophylline 15mg/kgで逆に抑制された.さらにindomethacin(2〜5mg/kg)のi.v.投与によって,反応性充血が消失した.これらの事実より,dilazep,theophyllineはAds,AMPの血流に対する作用を特異的に修飾すること,腎動脈閉塞解除後の反応性血流変動には,AdsあるいはAMP,そしてprostagland三nsの関与が示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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