ラット脳の神経終末膜電位に対するエタノールの効果
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概要
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ラット脳の神経終末膜電位を rhodamine 6G 螢光法により測定し,これに対するエタノールの効果を検討した.神経終末膜電位は,0.8〜1.6%以上のエタノールにより脱分極した,この脱分極はK<SUP>+</SUP>チャンネル阻害剤である 4-aminopyridine(4-AP)または反応液の Cl<SUP>-</SUP> の gluconate<SUP>-</SUP>置換(gluconate<SUP>-</SUP>反応液)により増強されたが,tetrodotoxin,反応液 Na<SUP>+</SUP> の choline<SUP>+</SUP> 置換,NH<SUB>4</SUB>Cl,picrotoxin,ethacrynic acid,furosemlde または反応液 Cl<SUP>-</SUP> の SCN<SUP>-</SUP> 置換により影響を受けなかった.4-APによるエタノール脱分極の増強は Cl<SUP>-</SUP> 反応液および gluconate<SUP>-</SUP>反応液で観察されたが,SCN<SUP>-</SUP> 反応液では認められなかった.これらの結果から,エタノールは K<SUP>+</SUP> チャンネルを介するアニオン依存性の K<SUP>+</SUP> 拡散を阻害することにより,神経終末膜電位を持続的に脱分極させると考えられる.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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