腎臓内で誘導されたDopamineとNa利尿作用の関係について
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概要
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本実験はラットの腎臓内で誘導されたdopamineとナトリウム(Na)利尿作用との関係について検討する目的で施行された.動物はpentobarbital麻酔下で0.9%NaClを補液し,薬物は静脈内に投与した.dopamine(0.05,0.5,5.0,μmol/animal/30min)投与時には尿中free dopamine排泄量と血漿中free dopamine濃度は顕著に増加し,同時に尿量および尿中Na排泄量が有意に増加した.この増加作用は用量依存的であった.carbidopa(0.5,5.0μmol/animal/30min)投与時には,尿中free dopamine排泄量は顕著に減少した.しかし,尿量および尿中Na排泄量には変動が認められなかった.L-dopa(0.05,0.5,5.0μmol/animal/30min).を投与すると,尿中free dopamine排泄量と血漿中free dopamine濃度は有意に増加した.この尿中free dopamine排泄量の増加作用は用量依存的であった.しかし,尿量および尿中Na排泄量には影響がみられなかった.carbidopa(0.5μmol/animal/30min)は,L-dopa投与による尿中free dopamine排泄量と血漿中free dopamine濃度の増加作用を顕著に抑制したが,dopamine投与による尿中free dopamine排泄量,血漿中free dopamineと尿量および尿中Na排泄量の増加作用には影響をおよぼさなかった.これらの実験結果より腎臓で誘導されたdopamineと尿量および尿中Na排泄量には相関関係はなく,血漿中dopamineが尿量および尿中Na排泄の調節に関与しているのではないかという結論を得た.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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