Haloperidol感受性の概日リズムに関する行動薬理学的研究
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概要
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向精神薬効果の概日変動を探る一連の研究の一つとして,haloperidolの鎮静効果の概日変動について実験を行なった.明暗・室温を厳密に統制した環境で飼育したラットを用いてhaloperidolを1日のうち,4つの異なった時刻に各種用量投与した.その結果haloperidolの鎮静効果は投与時刻によって有意に異なること,すなわち鎮静効果の概日変動が存在すること,しかも投与量によってこの変動パターンが相違することを明らかにした.そこでこの現象の発現機序を探る目的で,血漿中,脳内の同薬の濃度を経時的に測定したところこれには概日変動は見出されなかった.この事実から上記鎮静効果の概日変動は,脳における薬物感受性の概日リズムによることが判明した.そこで常同行動を示標にhaloperidolの抗apomorphine作用をみたところ,これにも概日変動が存在し,しかも鎮静効果の変動とほぼ同一パターンを示した.以上からhaloperidolの鎮静効果の概日変動の発現機序について2,3の考察を行なった.
著者
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吉本 静志
長崎大学医学部精神神経科学教室
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永山 治男
長崎大学医学部精神神経科
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高橋 良
長崎大学医学部精神神経科
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高城 昭紀
長崎大学医学部精神神経科学教室
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櫻井 征彦
長崎大学医学部精神神経科学教室
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西脇 健三郎
長崎大学医学部精神神経科学教室
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永山 治男
長崎大学医学部精神神経科学教室
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高橋 良
長崎大学医学部精神神経科学教室