新規環状ジスルフィド化合物SA3443のAcetaminophen誘発肝障害に対する防御作用
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概要
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(4R)-hexahydro-7,7-dimethyl-6-oxa-1,2,5-dithiazocine-4-carboxylic acid(SA3443)のacetaminophen誘発肝障害に対する作用をBALB/cマウスを用いて検討した.SA3443(30〜300mg/kg,p.o.)はacetaminophen(150mg/kg)投与により上昇した血清GOT,GPT活性と共に肝の病理組織学的変化を用量依存的に抑制し,また,acetaminophen(350mg/kg)による急性肝不全死に対しても同用量で抑制した.このBALB/cマウスの急性肝不全死モデルに対して,他の肝疾患治療薬であるcianidanol(500mg/kg),malotilate(100mg/kg),glycyrrhizine(10mg/kg)およびcystein(300mg/kg)も同様に抑制した.一方,SA3443は正常マウスの肝GSH量に対して何等影響を与えなかったが,acetaminophen投与による肝GSH量の低下を用量依存的に抑制した.以上の結果より,新規環状ジスルフィド化合物SA3443はacetaminophen誘発肝障害に対して明らかな防御作用を有することが示され,その作用機序の1つに肝のGSH低下の抑制が示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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中田 勝彦
参天製薬(株)奈良RDセンター眼科研究所
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三田 四郎
参天製薬(株)研究開発本部
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田中 美保子
参天製薬(株)中央研究所
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高瀬 謙二
参天製薬(株)中央研究所
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三田 四郎
参天製薬(株)中央研究所
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中田 勝彦
参天製薬(株)中央研究所
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