止瀉剤Loperamideの薬理学的研究(第3報)モルモット生体位腸管のProstaglandin E<SUB>1</SUB>およびAcetylcholineによる腸運動ならびに摘出腸管の各種Agonistによる収縮におよぼす影響
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概要
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摘出モルモット回腸の各種収縮反応ならびに生体位小腸のprostaglandin E<SUB>1</SUB>(PGE<SUB>1</SUB>)およびacetylcholine(ACh)の近接動注により誘発される腸運動におよぼす止瀉剤loperamideの影響をatropineやmorphineなどと比較検討し,以下の結果を得た.(1)モルモット生体位ではloperamideは0.01mg/kg i.v.以上の投与量でPGE<SUB>1</SUB>(0.1μg)近接動注により惹起する腸運動を抑制した.この腸運動はmorphine O.1mg/kg i.v.あるいはatropine 0.01〜0.1mg/kg i.v.によっても抑制された.また,loperamideは0.1mg/kg i.v.の投与量でACh(1〜3μg)近接動注による腸運動も軽度に抑制した.この腸運動はatropine O.01mg/kg i.v.により強く抑制されたが,morphine 1mg/kg i.v.ではほとんど抑制されなかった.(2)Loperamideは比較的低濃度で(10<SUP>-9</SUP>〜2 × 10<SUP>-7</SUP>g/ml)経壁刺激,BaCl<SUB>2</SUB>,nicotineおよびserotoninによるモルモット摘出回腸の収縮を抑制した.類似の効果はmethadone,morphine,pethidineおよびcodeineにも認められたが,それらの活性はloperamideより弱かった.(3)Loperamideは2 × 10<SUP>-7</SUP>g/ml以上の濃度でACh,histamineおよびbradykininによる収縮を抑制し,脱分極結腸紐のCa収縮を抑制した.また,AChの用:量作用曲線では非競合拮抗を示した.類似の効果はmethadoneに認められたが,morphineには認められなかった.以上の結果から,Iopcramideは腸のコリン作動性ニューロンの機能を抑制すると推定された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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清水 当尚
第日本製薬株式会社総合研究所
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清水 当尚
大日本製薬
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荘司 行伸
大日本製薬総合研究所薬理研究部
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河島 勝良
大日本製薬総合研究所薬理研究部
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河島 勝良
大日本製薬(株)総合研究所
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荘司 行伸
大日本製薬株式会社中央研究所
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