Berberine型アルカロイドの行動薬理学的研究(第1報)黄連ならびにその含有成分の中枢抑制作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
重要漢薬の一つである黄連については,いろいろの薬理学的研究が報告されているが,漢方で鎮静的にも使用するといわれている中枢抑制作用についてはほとんど研究されていない.そこで黄連の中枢抑制作用についての検討を企図し,まず黄連ならびに黄連含有成分およびその方剤モデルとして三黄瀉心湯エキスを作成し試験した.なお漢方薬は内服薬として用いられているのですべての試験は経口投与で行ない,一部抗胃潰瘍作用についても試験した.検体である黄連ならびにその含有成分は外観上一般行動に影響を与えず,自発運動量を減少させず,協調運動も障害しなかった.また実験的に誘発した異常行動すなわち各種化学物質や電気刺激によるけいれん,morphineによる挙尾反応,apomorphineによるchewingmovement,電気刺激による闘争反応,さらに睡眠薬による正向反射の消失などに対してほとんど影響しなかった.従ってこれらの検体には中枢抑制作用はないものと思われたが,ただ一つ黄連の3級塩基分画に軽度ではあるが自発運動量の減少作用とhexobarbital-Naとの協力作用が認められ,3級アミン化合物についてさらYom.詳細に検討することが必要と思われた.なお黄連方剤である三黄瀉心湯エキスにも中枢抑制作用は認められなかった.抗潰瘍作用についてはラットのstress潰瘍ならびにShay潰瘍について試験したところ,この場合はberberineなどの4級塩基化合物に軽度な胃潰瘍抑制作用が認められた.
著者
関連論文
- Berberine型アルカロイドの行動薬理学的研究(第1報)黄連ならびにその含有成分の中枢抑制作用
- Berberine型アルカロイドの行動薬理学的研究(第2報) ―Tetrahydroberberineならびにその関連化合物の中枢抑制作用―