〔(Octahydro-2-azocinyl)methyl〕guanidine(guanazodine)の薬理作用 ―降圧作用とその作用機序について―
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概要
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Guanazodineの降圧作用とその発現機序について,種々の条件下の生体位動物および摘出臓器を用いてguanethidineおよびbethanidineと比較検討した.1)Guanazodineは自然発症高血圧ラット(SHR),腎性高血圧犬およびネコの血圧を持続性に下降し,SHRに連続投与(10日間)しても降圧作用の減弱はほとんど認められなかった.また,心拍数は減少傾向を示した.Guanazodineによる初期の血圧上昇はα-blockerで抑制された.2)Guanazodineは麻酔ネコを起立位にした時におこる血圧上昇を下降に転じさせたがguanethidineおよびbethanidine処置後に比べて血圧下降の程度は弱い傾向を示した.3)Guanaz。dineはネコ血圧に対するnoradrenaline(NA)およびtyramine作用を増強するが,大量(10mg/kg,i.v.)投与ではtyramine作用は抑制された.4)Guanazodineはネコ瞬膜を弛緩し,イヌの心臓交感神経節前節後刺激による心拍数増加を抑制し,ウサギ洞房結節経壁刺激による律動数増加を抑制した.また,ウサギ大動脈経壁刺激による収縮力増大を抑制したが,この作用はmethamphetamine前処置により抑制された.5)Guanazodineはラット心臓内NA含量を持続性に減少させた.しかし,脳内アミン(NA,dopamineおよび5-hydroxytryptamine)および副腎内アミン(NA,adrenalineおよびdopamine)含量を有意に変化しなかった.6)ラット静注LD50値は136±11mg/kgであり,その値はguanethidineの4倍,bethanidineの7倍であった.7)以上の結果から,guanazodineはアドレナリン作動神経遮断ならびに同神経含有NA量を減少することにより交感神経の緊張性支配を減弱せしめ血圧を下降することが示唆される.効果の強さと持続性はguanethidineに匹敵しbethanidineより明らかに優れ,その毒性および副作用はguanethidineやbethanidineより弱い傾向を認めた.
著者
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清水 武
東洋醸造(株)研究部
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清水 武
東洋醸造株式会社研究所
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浜川 博司
東洋醸造株式会社研究所
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戸塚 鉄男
東洋醸造株式会社研究所
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大野 宏士
東洋醸造株式会社研究所
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戸塚 鉄男
東洋醸造株式会社医薬品研究所
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