凍結全身オートラジオグラフィによる抗腫瘍性アミノ酸関連化合物のマウス体内分布
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
一次および二次抗腫瘍効果スクリーニングで選択された4種の抗腫瘍性アミノ酸関連化合物を<SUP>14</SUP>Cで標識し,正常雄,雌および担癌マウスに静脈内投与し,凍結全身オートラジオグラフィ法を用いて体内分布を検索した.*A-91は胆汁への著しい排泄と,高い血中残留性によって特色づけられ,その分布は,肝,肺,腎,膀胱,皮膚,子宮,卵巣,腫瘍組織において高濃度に見られた.*A-145は血中から速やかに各組織へ移行し,膵,唾液腺,消化管,腫瘍組織,ハーダー氏線,骨髄,膀胱に最も高濃度に分布する一方,高い組織残留性が観察された.雌マウスでは,子宮,卵巣にも比較的高濃度に分布した.*A-192は胆汁中に著しい活性が認められ,血中濃度も長時間保たれた.肝,肺,腎,子宮,卵巣,腫瘍組織に高濃度に見られた.*A-195は泌尿器系からの速やかな排泄が特徴的で,体内に残ったわずかのRI活性は,腸管,肝,骨質,その他の組織全般に分布した.標識アミノ酸関連化合物の基本骨格の*DL-tryptophan,*L-isoleucine,*-valineはほとんど同様の分布を示し,膵,唾液腺,消化管,腫瘍組織,骨髄など,増殖組織や分泌組織に高濃度に観察された,標準抗腫瘍剤として用いた*cyclophosphamideは尿および胆汁中に速やかに排泄され,体内に残留したわずかのRI活性は,中枢神経系を除くほとんどすべての臓器組織に分布していた.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
-
永沼 真理子
慶大・医学部・薬化学研究所・化学療法部門
-
豊島 滋
慶応大学医学部薬化学研究所
-
永沼 真理子
慶応大学医学部薬化学砥究所化学療法部門
-
福島 紘司
慶応大学医学部薬化学砥究所化学療法部門
-
永沼 真理子
慶応大学医学部薬化学研究所化学療法部門
-
豊島 滋
慶応大学医学部薬化学砥究所化学療法部門
-
豊島 滋
慶応大学医学部・薬化学研究所・化学療法部門
関連論文
- 225. がん化学療法の標的臓器における毒性と効果
- アミノ酸誘導体の合成研究と生物活性 (第1報) 抗インフルエンザウイルス効果
- 凍結全身オートラジオグラフィによる抗腫瘍性アミノ酸関連化合物のマウス体内分布
- 14C-Pipethanate hydrochlorideの吸収,分布,および排泄について
- Effects of Hydrogen Ion Concentration on Determination of Free Guanidino Coumpounds in Plasma
- Austulia Antigen