ロゼット抑制試験を用いた豚の早期妊娠診断
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概要
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豚の血巾早期妊娠因子(Early Fregnancy Factor; EPF)の測定に適したロゼット抑制試験(Rosette Inhibition Test; RI Test)系を確立した後,その測定法を用いて豚の早期妊娠診断を行なった.すなわち,交配後,3週間以内の豚27頭について血清を採取し,RI Testを用いて血清中のロゼット抑制力価(Rosette Inhibition Titer; RIT)を測定した.RI Testの結果,27頭中17頭は4または5の高いRITを,他の10頭は1または2の低いRITを示したため,前者を妊娠,後者を非妊娠と診断した.その後,これらの豚は胎子の存在,流産または分娩の確認によって18頭が妊娠と診断され,また発情の回帰確認によって9頭が非妊娠と診断された.そこで,RITによる診断結果と実際の妊娠の有無を照合した.その結果,高いRITを示した17頭中2頭は非妊娠であり,RITの低い10頭中に3頭の妊娠豚が含まれていた.したがって, RI Testによる妊娠または非妊娠の診断率は,各々15/18頭で83.3%,7/9頭で77.8%の値を示した.また,これらの結果を胚の着床の前後で分けて比較した場合,妊娠,非妊娠にかかわらず診断の的中率は着床前で80.0%,着床後では83.3%とほぼ同様な成績を示した.したがって,RI Testを用いて豚の妊娠診断を行なった場合,胚の着床する以前に高率で妊娠を判定出来る可能性が見出された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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