雌子豚の発育,血漿遊離アミノ酸および血漿生化学成分に及ぼす飼料蛋白質水準の影響
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概要
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子豚のアミノ酸要求量を求めるのに先立ち,平均1日増体量,飼料効率,血漿遊離アミノ酸および血漿成分に及ぼす飼料蛋白質水準の影響を調べた.平均初体重約25kgの雌子豚20頭を1区4頭の5区の群飼とし,各区にそれぞれ試験飼料を21日間自由摂取させた.体重および飼料摂取量は毎週測定し,また,最終日に血漿中のアミノ酸および生化学成分の測定のため採血を行なった.試験飼料は,トウモロコシ,大豆粕およびフスマを主体とし,飼料中のリジン,含硫アミノ酸およびトレオニン含量が,日本飼養標準(1987)の80から120%の5段階になるよう配合した.試験飼料のCP含量は,10.3から14.9%5段階であった.1日増体量は12%区まで増加しつづけたが,1日増体量および飼料効率ともに110%区において,日本飼養標準の期待値を上回った.血漿遊離アミノ酸濃度は,飼料中のCP含量の増加にともない増加,減少および一定の異なる3種類の反応を示した.飼料中CPレベルの増加に伴い,血漿中のアルギニン,イソロイシン,トレオニン,トサプトファン,バリン,アスパラギンおよびセリンは増加し(P<0.05),また,ヒスチジンおよびグリシンも増加傾向を示した.ロイシン,リジン,アラニンおよびアスパラギン酸はほぼ一定を保持し,フェニルアラニン,チロシンおよびプロリンは減少した(P<0.05).血漿生化学成分については,アルブミン,β-リポ蛋白質および総蛋白質において有意差(P<0.05)が見られた他は,差は見られなかった.しかしながら,血漿尿素窒素は90%区から110%区において比較的一定であったのに対し,120%区において増加する傾向にあった.このことは,90%区から110%区においてアミノ酸が有効に利用されたこと,また120%区ではすべてのアミノ酸が要求量を充足したと考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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