17%Crステンレス鋼板の冷延-焼鈍集合組織 : 17%Crステンレス鋼板のローピング現象 第2報
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概要
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ローピング発生状況の異なる試料の圧延,焼鈍集合組織を調べ両者の間に存在する主方位間の回転関係および引張りによる方位変化を求めた。ローピング発生の著しいものでは圧延方位が(hkl)〔011〕方位群からなりその焼鈍方位はcube-on-corner型の2つの主方位(111)〔011〕+(111)〔112〕よりなるのに対してローピングの発生しないものでは圧延方位は主として(111)〔uvw〕方位系列からなり焼鈍方位は(111)〔011〕〜〔112〕からなる分散の大きいcube-on-corner型の方位である。ローピングの発生が著しい試料を脱炭したり,交又圧延を行なうとローピングの度合いは少なくなり脱炭材の焼鈍方位は主方位にGoss方位がみとめられるようになる。また交又圧延によって焼鈍方位に(100)〔011〕方位への集積が強くなる。圧延主方位と焼鈍主方位間に存在する主たる回転関係はローピングの出ない材料では板面法線の<111>軸まわりの30°回転,ローピング材では圧延方向に平行および圧延面法線から圧延方位へ30°の位置にある<110>軸のまわりのそれぞれ30°,35°回転関係がみとめられる。引張りによらて集合組織は(111)〔011〕方位へ集積する傾向がみられ,ローピング材では(hkl)〔012〕〜〔011〕方位群もみとめられる。このような集合組織の差によるローピング発生のメカニズムは別の機会に詳述する。
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