反芻動物の蛋白質消化に関する研究 : II. カゼイン給与時の第一胃内遊離アミノ酸及び第一胃内細菌による脱アミノ
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概要
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緬羊に乾草とカゼインを給与し,第一胃内液にエタノールを加え濾過した濾液の遊離アミノ酸をイオン交換樹脂で分離し,ペーパークロマトグラフィーで同定した.更に第一胃内細菌のこれらのアミノ酸に対する脱アミノ活性を調べた.結果は次の通りであつた。1. 乾草給与期には,アルギニン,スレオニン,バリン,ロイシン(イソロィシン)が検出された.飼料給与後5時間目にはバリン,ロイシンは検出されないこともあった.2. カゼイン給与期にはアスパラギン酸,グルタミン酸,アラニン,スレオニン,アルギニン,チロシン,バリン,プロリン,ロイシン(イソロイシン)が検出された.3. アスパラギン酸,アラニン,グリシン,グルタミン酸,アルギニン,セリン,シスチン,プロリン,トリプトファン,フエニルアラニン,スレオニン,バリン,ロイシン,ヒスチジン,リジン,チロシン,メチオニンの17種のアミノ酸のうち,アスパラギン酸,グルタミン酸,グリシン,アルギニン,シスチン,セリンが脱アミノされ,中でもアスパラギン酸が最もよく利用された.4. アラニンとグリシン,アラニンとプロリン,ロイシンとプロリン,バリンとプロリンの各対についてSTICK-LAND反応を試みたが,いづれの組でも反応は起らなかつた.