鶏の下垂体前葉黄体形成ホルモン力価の産卵周期中における変動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
白色レグホーン種の産卵鶏で,産卵数が3個以上のクラッチを示し,クラッチとクラッチとの間の休産日数が1日の鶏について,クラッチ最終卵(Ct)の排卵から第2卵(C2)排卵後8時間までの期間のいろいろな時期における下垂体前葉LH力価を卵巣アスコルビン酸減少法によって測定した.また,休産鶏を午前10時から翌朝8時まで2時間ごとに殺して下垂体前葉を採取し,そのLH力価を側定した.さらに,産卵鶏の卵管膨大部に糸を通した場合,および卵管峡部を結紮した場合の下垂体前葉LH力価を測定した.産卵周期中の鶏の下垂体前葉LH力価は排卵から次の排卵までの期間に変動を示し,その変動には2つのピークが認められる.すなわち,クラッチ第1卵(C1)排卵からC2排卵までの期間においては,第1ピークはC1排卵後6時間(C2排卵前20時間)に,第2ピークはC1排卵後18時間(C2排卵前8時間)に認められる.Ct排卵からC1排卵までの期間においては,第1ピークはCt排卵後2時間(C1排卵前38日時間)に,第2ピークはCt排卵後18時間(C1排卵前22時間)に認められる.Ct排卵後の第2ピークはC1排卵後の第2ピークと異なり直ちに減少を示さない.排卵から次の排卵までの期間に認められる2つのピークのうち,第2ピークのLH力価の減少が排卵と特に密接な関係をもつものと推察される.休産鶏の下垂体前葉LH力価は24時間を通じて顕著な変動を示さない.卵管膨大部に糸を通した鶏,および卵管峡部を結紮した鶏の下垂体前葉LH力価は,対照鶏における力価とくらべ,著しい差異を示さない.それ故,産卵周期中の鶏に認められる下垂体前葉LH力価の排卵後の第1ピークをひきおこす要因が卵管上部の刺激であるという可能性はきわめて低いものと推察される.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- 鶏の卵管子宮部(卵殼腺部)の細胞質可溶性画分(cytosol)のプロジェステロン•レセプター:産卵鶏と休産鶏との差異並びに排卵から放卵までの期間における変動
- 鶏の卵管子宮部(卵殼腺部)のプロジェステロン•レセプター:細胞質可溶性画分(cytosol)および細胞核画分における存在
- 産卵鶏の卵管子宮部(卵殼腺部)の細胞質可溶性画分(Cytosol)のプロジェステロン•レセプター結合能と細胞核画分のレセプター•プロジェステロン複合体量の排卵から放卵までの期間における変動
- LH投与鶏における排卵め誘起と血漿のプロジェステロン濃度およびエストラジオール-17β濃度との関係
- In vitroにおける雌鶏下垂体の性腺刺激ホルモン放出に対するプロジェステロンの効果
- 精巣除去ニワトリにおける下垂体前葉の前部腺体ならびに後部腺体の性腺刺激ホルモン力価の日内変動
- ニワトリの下垂体前葉の前部腺体ならびに後部腺体における性腺刺激ホルモン力価の日内変動
- 鶏の卵管子宮部(卵殼腺部)のエストロジェン•レセプター:細胞質可溶性画分(Cytosol)および細胞核画分における存在
- 鶏の下垂体前葉黄体形成ホルモン力価の産卵周期中における変動