マウス泌乳能力の指標としての諸形質間の相関について
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概要
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マウスの泌乳能力を推定するための指標としての,12日令平均子体重,増体量,増体率,時間哺乳による哺乳量,乳腺中DNA, RNA量,およびRNA/DNAの7形質相互の間の相関係数を検討した.用いた動物は初産のC3H/HeおよびC57BL/6系マウスで,各系統とも,(1) 分娩当日,系統間で相互に子の半数(3区)を交換し,泌乳11日目までは正常哺乳させ,12日目に8時間子を離して1時間哺乳させて子の体重差から哺乳量を測定した群,(2) 子の交換は行なわず,i)12日目乳量を測定した群,ii) 乳量測定せず,8時間子を離したのち供試した群の計6群である.1. 各群を通して相関があると認められたのは,増体率と,0日令子体重(-),12日令子体重(+),および増体量(+)間,ならびに12日令子体重と増体量間(+)であった.2. DNAとRNA間,RNAとRNA/DNA間には,C57BLでは3群とも正の相関が認められたが,C3Hの非哺乳群では,このいずれの間にも相関はなかった.3. 哺乳量とDNA, RNA, RNA/DNAの間の偏相関はほとんどすべて有意ではなかった.これらの結果から,上記の各形質とも,マウスの泌乳能力の指標として単独で用いるのは必ずしも適当でないこと,時間哺乳によって哺乳量を測定するには,少なくとも2回以上の測定値の平均を用いるべきことなどが示唆された.
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