消費過程における飼料組成の変動に関する研究 : II. 500kgと20kg袋詰め飼料の粒度と化学的組成の変動
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概要
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養鶏用配合飼料の輪送は20kg袋詰めとして行なわれているが,最近では500kgを袋詰めとしてする方法,バラ積みとする方法などが用いられている.本報告は500kgと20kgの袋詰め飼料について,飼料工場で袋詰めするときと,消費地に輸送し消費していく過程で試料を採取し粒度と化学的組成を調べ,バラ積み輸送した飼料の場合と比較検討したものである.飼料の化学的組成は粗蛋白質,粗灰分,カルシウム,リボフラビン,マンガン含量について定量した.飼料の輸送は積載量6tの普通貸物自動車で行なったが,輸送距離は500kg袋詰めの場合は約95km, 20kg袋詰めの場合は約80kmであり,走行した道路は舗装されていた.主要な結果は次のごとくであった.1) 500kg袋詰め飼料の粒度組成では1.0mm篩目不通部分の袋記号間に有意差が認められ,化学的組成では粗蛋白質,粗灰分,カルシウム含量について袋記号間,試料番号間に有意差が認められた.マンガン含量では袋記号間に有意差が認められた.2) 20kg袋詰め飼料の粒度組成では1.0mm篩目不通部分の袋記号間,試料番号間に有意差を,化学的組成では袋記号間,試料番号間に粗蛋白質と粗灰分含量について有意差を認めた.リボフラビン含量では試料番号間に,カルシウムとマンガン含量では袋記号間に有意差が認められた.3) 500kgと20kg袋詰め飼料で有意差の認められた化学的組成は,バラ積み輪送飼料の場合より多かった.このことはバラ積み輸送飼料の化学的組成の変動が小さいことを示したものではなく,誤差についての不偏分散が大きくなったため差が検出されなかったものと考えられる.4) 500kgと20kg袋詰め飼料およびバラ積み輸送飼料の化学的組成に関する変動係数は,バラ積み輸送飼料の場合は大きくなったが,袋詰め飼料の間には大きな差はなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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