牛乳の脂肪分解酵素 : IV. 脱脂乳遠沈沈殿物の分割による脂肪分解酵 素の精製ならびに同沈殿物の一般的性質
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概要
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本研究の脂肪分解酵素源として用いられた脱脂乳遠沈沈殿物(pH7.0に中和した脱脂乳を9600×Gで60分遠沈し,沈殿物を脱イオン水で24時間透析したもの)の化学組成,紫外線吸収および電子顕微鏡像を観察した.この沈殿物の全固形分中72.8%はカゼインであり,その多くは,直径150〜260mμの球状をなしていること,また脱脂乳中の脂肪分解酵素は,カゼイン•ミセルと結合していることが推察された。この遠沈沈殿物を酒精によつて分割したところ,酒精濃度17.4%で沈殿しない部分は,遠沈沈殿物の脂肪分解酵素活性に比較し,pH7.0では1.28倍(回収率44.8%),pH 8.6では1.46倍(回収率45.9%)の力価を有していた。これをさらに硫酸マグネシウム塩析によつて分割したところ,3/4飽和上澄液は,pH8.6において10.9倍の力価を有していたが,回収率は6.5%に過ぎなかつた。
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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