乳汁の複合脂質に関する研究 : VI. 牛乳および人乳の糖脂質含量
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概要
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1. 牛乳および人乳の糖脂質量を測定するため,透析,酸沈殿,FOLCH抽出,珪酸カラムクロマトグラフィーによる方法を組合せ糖脂質試料を精製した,その試料をそのままかFOLCH法による水洗処理あるいはセファデックス処理した試料につき糖とりん含量を測定した.糖はガラクトースを標準としてAnthrone法により測定し,得られた値を4.6倍して糖脂質含量とした.りんはFISKE & SUBBAROW法により測定し,24.5倍してりん脂質含量とした.2. 牛乳および人乳を48時間透析することにより,牛乳では99%,人乳では97%の乳糖が除去された.3. 牛乳糖脂質含量は未処理で12.3mg%,水洗処理で10.1mg%で,未処理と水洗処理とではあまり差がなかった,4. 人乳糖脂質は未処理で15.4mg%,水洗処理で6.9mg%,セファデックス処理で7.8mg%と水洗およびセファデックス処理することにより減少した.この結果から,人乳糖脂質中には糖含量の高い糖脂質が多く含まれているのではないかと推定された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文