ある米糠油副産物中の毒性物質に関する研究 : I. 雛に対する毒性
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概要
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昭和43年春,西日本一帯で養鶏用配合飼料による中毒事故が発生し,その原因が飼料に用いたある種の米糠油副産物(T. F.と略す)にあることが判明した.このT. F.の雛に対する毒性を明らかにするため,T. F.含有飼料による育雛実験を繰り返し,下記の結果を得た.1) T. F.を添加した飼料を雛に給与すると発育不良,飼料摂取量の低下,逆毛,翼の下垂,呼吸困難,佇立,灰白色下痢便などの症状を呈し,剖検所見では,心のう水腫,皮下,および腹部の水腫,内臓諸器官の変状などが認められ,特に心のう水腫が特徴的で,米国でChick edema diseaseと呼ばれる症状に酷似していた.2) T. F.の有毒部は不鹸化部にあり,鹸化部は無害であった.3) A. O. A. C.法による生物試験の結果,供試T. F.中には,同法にもとづくChick edema factorの存在が認められた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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