畜産公害の実態とその対策
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概要
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10数年来の経済高度成長下にあって,土地との結びつきがきわめて少ない家畜の多頭飼養経営の増加に伴い,家畜ふんの堆積,畜舎汚水などの流出,不法投棄による悪臭や衛生昆虫の発生,地下水の汚染,河川湖沼の水質汚濁,家畜の鳴き声によるそう音被害などの問題が社会的に表面化し,広く大きな問題として発展しつつある.一方,このような情勢が急速に進展した関係もあって,これに対処する技術面は研究装備が十分でなく,その処理対策については,歴史のある下水,人のし尿,産業廃水処理など処理技術を導入し,試行錯誤をくり返した結果ようやく目途がついた段階である.なお,この分野とは別に農薬や抗生物質などの畜産物に対する汚染も表題内の問題かも知れないが,本総説では触れないことにする.
- 社団法人 日本畜産学会の論文