チャカテキンの植物体内への吸収とウイルスの病斑形成阻害作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
カテキンの植物体への吸収作用とその生体内でのウイルスに対する阻害作用を検討した。<BR>(-)ECgと(-)EGCgの1000ppmと2000ppmの溶液を断根処理したN. glutinosaに吸収させてTMVを接種すると,TMVの病斑形成は阻害された。その結果を全体的に比較すると,1000ppmの(-)ECgが92%,(-)EGCgが99%,また,2000ppmでは(-)ECgが90%,(-)EGCgが99%の阻害率を示した。<BR>4種のカテキンそれぞれをタバコKy-57の根から24時間吸収させると,1000ppmでは変化を生じないが,同一濃度でも混合液で吸わせるとタバコの葉に葉脈の褐変と,赤い斑点をつくった。また2000ppmになると葉は外巻き症状を呈した。<BR>タバコKy-57に(-)ECgと(-)EGCgをそれぞれ7日間吸収させて,ポリフェノール成分の変化をペーパークロマトグラフィーで調査した。その結果,対照区に比べ(-)ECg区に3個,また(-)EGCg区に2個の未知のスポットが増加し,ポリフェノール物質であることが確認された。これらのことからカテキンは生体内へ吸収されることが明らかとなった。