緑茶浸出液中のメソミル分析法
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概要
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環境庁告示によるメソミル分析法を,緑茶浸出液に適合するよう,添加回収試験により改良を試みた。<BR>結果を要約すると次のとおりである。<BR>(1)緑茶浸出液に酢酸鉛を添加し,除タンニン操作を行うことにより,水層と有機溶媒の分離が極めて良好になり,回収率も向上した。除タンニン剤としては,塩基性酢酸鉛が中性酢酸鉛よりも優っており,この操作によるメソミルの損失は認められなかった。<BR>(2)A〜D法とも,現在の農薬分析の基準となっている回収率の値(70%以上)を満たしており,実用性も高かった。特にD法によりメソミルは簡便に抽出され,酢酸エチル250mlの使用で86.7%の高回収率を得,精度も高かった。得られた試験液も薄緑色透明液で,分析障害も認められなかった。<BR>(3)水層量(初期3GOml,C,D法においては約430ml)に対する標準添加量(2.2μg,4.4μg)から,C法の酢酸エエチル200m抽出法と,D法の酢酸エチル250ml抽出法は精度の高い方法であった。回収誤差はC法の場合,酢酸ニチル150ml抽出のとぎに2.8%と最も大きく,D法においては,いずれも1.5±0.5%であった。<BR>分析操作の難易度および回収率の結果から,D法の酢酸ニチル250ml抽出法が最適な方法であった。<BR>(5)分析試料により,タンニン等の含有率が異なるため,塩基性酢酸鉛液,過剰鉛除去に用いる硫酸液および水酸化ナトリウム液は十分に添加することが必要である。
- 日本茶業技術協会の論文