Weinmann法による茶樹炭水化物簡易定量法の検討
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概要
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以上の実験結果から,茶樹炭水化物の簡易定量法として,H.WEINMANNのTAC分析法の茶樹への適用は可能であることが認められた。<BR>本法では,試料約300mgを用い,糊化した後,酢酸1緩衝液とタカジアスターゼ液を加え,恒温器中で炭水化物を抽出・転化せしめる。中和後,塩基性酢酸鉛でタンパク質・タンニンなどを除き,除鉛,ロ過し,塩酸で加水分解して,生成糖量をハンス法でグルコースとして定量し,全可利用炭水化物(TAC)として一括表示する。<BR>タカジアスターゼは製品によって抽出能力に差がみられ,あらかじめ検定する必要があった。検定して酵素を適当にえらべば,茶タンニンによる酵素の阻害はほとんど認められなかった。また除タンパク法は,原報と異な9,中和後,塩基性酢酸鉛を用いるのが適当と認めらきた。<BR>本法の精度は変異係数で3.6〜5.0%であった。また従<BR>来の分別定量値に比べ,表示を同じにしても相当高い値が得られたが,両者間の相関は高く,各種の試料について検討した結果,r=+0,908が得られた。本法は従来の方法に比し,精度はやや劣るが,測定能率は1週間当たり72点と約4倍以上であるので,多数の試料について,生理的に利用可能な炭水化物含有率の,だいたいの変化をすみやかには握する場合に有効に使用し得る。
- 日本茶業技術協会の論文
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