雄マウスの生殖器官に及ぼす環境温度の影響 : VI. 精子形成機能の維持に対する断続的高温処理とホルモン投与との関連性
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概要
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雄マウスの精子形成機能維持に対する,断続的な高温処理の時間と期間との関係について検討し,あわせてその際に生ずる障害の緩和および回復促進に関するホルモン投与の効果をも検討した.近交系マウスA1 784頭を用い,33.5±0.5°C(湿度約50%)の高温室に1日それぞれ2,4,6および7時間ずつ収容し,残りの時間は24〜27°Cの室に移す操作をおのおの1,2,3週間繰返した.ホルモンとして,体重1kg当たりtestosteroneの0.05mg, PMSGの10IU各4回,および両ホルモンを2回ずつ交互に,1週間隔で筋肉内注射した.得られた結果を要約すれば次のとおりである.1. 上記のごとき条件の場合,精子形成機能は1日6時間ずつ,3週間程度まではほぼ正常に維持された.しかし受精能力は,6時聞ずつ2週以上から衰退の傾向が認められた.2. 高温処理の時間と期間との延長により生ずる精子形成機能,受精能力の低下に対するホルモンの緩和,回復促進の効果は早期投与によつていくらか高められた.その場合testosterone, PMSGの交互投与が,両者の単一投与よりやや効果的である傾向が認められた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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