チャに寄生するカンザワハダニの水酸化トリシクロヘキシルスズ剤(プリクトラン)に対する抵抗性発達の地域差
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概要
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全国の茶園から採集したカンザワハダニ雌成虫の水酸化トリシクロヘキシルスズ剤に対する感受性を室内実験によって検定した。<BR>1. LC<SUB>50</SUB>による感受性検定の結果,最も高い抵抗性を示した静岡県島田市のカンザワハダニは,鹿児島県阿久根市のハダニより73倍強く,水酸化トリシクロヘキシルスズ剤はほとんど実用性がないと判断された。<BR>2. 水酸化トリシクロヘキシルスズ剤4,000倍(62.5ppm)における死亡率によって各地の茶園のカンザワハダニを検定した結果,静岡(牧之原),京都,福岡の各県で抵抗性の発達が顕著であった。その他の多くの県でも部分的に感受性の低下が認められた。<BR>3. 本剤に抵抗性を示すカンザワハダニ雌成虫に対して有効な薬剤は,ポリナクチン複合体・BPMC,ケルセン,DMTP,プロチオホス,BRPであった。<BR>終りに,本研究の遂行にあたり,終始有益な御助言をいただぎ,校閲の労をとって下さった当場虫害研究室の刑部勝室長,実験に御協力いただいた元当場研修生の谷下聡彦,大尾豊両氏に,また,サンプルを送付していただいた各府県の茶害虫研究担当者の方々に心から御礼申し上げる。
著者
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