凍結サイレージの給与が乳生産に及ぼす影響
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概要
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凍結したサイレージの給与が乳生産に及ぼす影響を知るため,ホルスタイン種の泌乳牛6頭を供試し,反転飼養試験法にて泌乳試験を実施した.供試したサイレージは水分含有率78%,乾物中の可消化エネルギー含量2.96Mcal/kgのチモシーサイレージである.サイロから取り出したサイレージは二分し,片方を屋外に放置することにより凍結させた.凍結サイレージの平均温度は約-10°Cで,対照区のサイレージの平均温度は約2°Cであった.飼料や可消化栄養素の摂取量は処理間に差はなく,飼養標準の要求量を満たしていた,凍結サイレージを給与した試験区の牛は対照区の牛に比べて,実乳量,FCM量,乳蛋白質量および乳脂肪量が有意に低かった.処理間のHeat of warmingの差は1日1頭当り3Mcal以上に達したものと計算された.乳牛に凍結状態にある高水分サイレージを多量に給与する際のHeat of warmingは,乳量を低下させる程度に大きなものと考察した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文