肥育豚の成長および肉質改善に及ぼすリジンの効果
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概要
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胞育豚用飼料へのリジン添加が屠体のどの部位の肉質に改善効果を及ぼすかを明らかにする目的で検討した.76日齢,L×H(F1)去勢雄豚を28日間予備飼育後,1区3頭供試し,トウモロコシーゴマ粕タイプの基礎飼料(DE,3442Kcal/kg,CP,13.3%)にリジン含有量が0.42%(A区)および0.74%(B区)になるようL-リジン塩酸塩を等窒素量のL-グルタミン酸と代替して添加した飼料で飼育した.飼育は濃度20±2°C,湿度50±10%の恒温恒湿内単飼ケージにて不断給餌,不断給水下で実施した.試験開始後6週間の1日平均増体量および飼料要求率はA区に比しB区がいずれも優れていた.屠殺時生体重はA区90.9kg/頭,B区99.6kg/頭とB区が優れていた.枝肉3分体における赤肉および脂肪組織の割合(%)は,前躯のA区59.3-29.8,B区59.3-31.6;中身躯のA区43.3-48.8,B区45.1-44.4;後躯のA区63.9-26.3,B区70.2-20.4と後躯において明らかにリジンの効果が認められた.ロース断面積(5〜6胸椎間および10〜11胸椎間)はA区に比しB区が顕著に優れ,ロース芯は化学分析の結果粗蛋白含量においてB区が明らかに高かった.屠体長,背腰長,枝肉歩留,絶食体重に対する肝臓,腎臓,脾臓の割合および背脂肪の厚さには区間による差が認められなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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小林 隆明
味の素株式会社生物科学研究所
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大塚 慎一郎
味の素株式会社生物科学研究所
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弓狩 康三
味の素株式会社生物科学研究所
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弓狩 康三
味の素株式会社中央研究所
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大塚 慎一郎
味の素株式会社中央研究所