豚における非蛋白態窒素の利用性におよぼす給与方法の影響
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概要
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非蛋白態窒素(NPN)の利用性は,その給与方法によっても影響を受けることが推測されるので,給飼方法のちがいがNPN代替飼料の利用性におよぼす影響について調査した.供試飼料としては,対照飼料(TDN 82.8, DCP 15.8)の粗蛋白質の20%相当を尿素1.1%,リン酸二アンモニウム(DAP)2.4%で代替したものに,リジン0.3%添加のものを用い,供試豚としては,雑種同腹豚8頭と大ヨークシャー同腹豚9頭を用いて,制限(定量)給与と不断給与の比較を行なうとともに,血中成分の経時的変動についても調査した.尿素代替飼料給与時の発育では,制限区の1日増体重485gに対して,不断区は628gとなり,5%水準で有意差が認められ,要求率でも不断区の方がまさった.DAP給与の場合でも,発育は不断区の方がわずかにまさったが,要求率では定量区の方がすぐれた。血中アンモニア値は,雑腫,大ヨークシャー両試験群とも1〜4μg/mlでほぼ正常域内にあったが,血清中尿素値は,尿素給与後に明らかな急上昇がみられた.枝肉成績については,特にNPN給与によると思われる問題は認められなかった.