乳牛におけるノルエピネフリン負荷による脂肪動員とグリコーゲン分解について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
泌乳開始にともなう乳牛の脂質,糖質代謝の変化を調べるため,6頭のホルスタイン乳牛を用いて乾乳期,分娩の2,6および10週間後にノルエピネフリン(NE)を静脈内に負荷して血漿の遊離脂肪酸(FFA),遊離グリセロール(FG),トリグリセライド(TG),ブドウ糖,乳酸および無機リン(i-P)濃度の変化を経時的に調べた.いずれの時期比おいても,NE負荷によって血漿のFFA, FG,TG,ブドウ糖および乳酸の濃度は上昇し,i-P濃度は低下する傾向を示した.NE負荷による反応を時期別にみると,FFA濃度の変化は泌乳開始の2週間後に著しく,ブドウ糖および乳酸濃度の上昇は6〜10週間後に大きくなっていた.また泌乳期には乳酸濃度の最高値に達する時間やその回復は遅延する傾向にあった.乳牛においても,NE負荷によって脂肪組織からの脂肪動員および肝•筋肉のグリコーゲン分解は亢進するが,その反応は泌乳開始によって増強されるものと思われる.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- 高リン飼料によるヤギの尿結石の発生について
- 緬羊のNa-statusと採食にともなう耳下腺唾液のNaおよびK濃度の変化について
- ヤギにおける両側耳下腺管の結紮がリン, ナトリウム, カリウムの代謝および酸-塩基平衡に及ぼす影響
- めん羊における乾草と濃厚飼料の給与比率が耳下腺唾液の分泌とそのNa, K, P濃度に及ぼす影響
- 乳牛の分娩前後の血漿ブドウ糖,脂質およびミネラル濃度の変化について
- 乳牛におけるノルエピネフリン負荷による脂肪動員とグリコーゲン分解について