チャ葉面に生息するチャ炭疽病拮抗菌Sprothrix
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概要
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チャ葉面から分離された糸状菌Sporothrixは,チャ炭疽病菌との対峙培養において阻止帯を形成し,その培養ろ液はチャ炭疽病菌分生子の発芽管伸長を抑制した。Sporothrixとチャ炭疽病菌を同時にチャ切り離し葉に付傷接種すると,チャ炭疽病の病斑長径を65-59%抑制した。圃場における防除試験では,Sporothrix分生子懸濁液の散布によりチャ炭疽病発病葉数が減少する傾向がみられたが,明確な防除効果は認められなかった。シクロヘキシミドを添加した選択培地MYCCAを用いて,圃場におけるSporothrixの消長を調査した結果,冬季は10cfulcm2以下に減少するが,春から秋にかけてはおよそ102-103cfu/cm2の高い密度で生息していた。顕微鏡観察の結果,Sporothrixはチャ葉の毛茸表面に定着していた。
- 日本茶業技術協会の論文