2飼料条件下におけるマウスの8週齢体重に対する直接ならびに間接選抜反応について
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概要
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新しい蛋白源である炭化水素酵母に対する家畜の適応性についての基礎資料を得ることを目的として,主要蛋白源を大豆粕とする飼料区と,そのほぼ1/2を炭化水素酵母で代替した飼料区を設け,それぞれにおいてマウスの8週齢体重を,大の方向へ10世代にわたり選抜した.いずれの飼料区とも2反復を設け,選抜は各系統ごとにほぼ1/3の選抜圧をもって腹内選抜を行なった.そして,8週齢体重に対する選抜によって生じた直接選抜反応と,それに随伴する測定形質の相関反応について調べた.後半の世代においては,肥満個体の出現により繁殖能力の低下を招き,実現選抜差の意図した選抜差に対する比率は前半の世代に比べて小さくなった.しかしながら,8週齢体重はいずれの飼料区においてもほぼ直線的な推移を示し,その世代当り反応量は雌雄平均でもって大豆粕飼料区で0.79g,酵母を給与した飼料区で0.66gであった.実現遺伝率はそれぞれの飼料区において平均0.48と0.36であった.相関形質のうちで特徴的な変化を示したのは膣開口日齢とその体重であった.膣開口日齢は全系統平均で世代当り0.57日も短縮された.一方,膣開口体重は世代の進行にかかわらず18g前後を示し,全く変化が見られなかった.また8週齢体重や分娩率,産子数,離乳率などにっいて,明らかな飼料区間差は少なくとも10世代までの間には認められなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文