2飼料条件下におけるマウスの8週齢体重に対する直接ならびに間接選抜反応の実現値と期待値の比較
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概要
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主要蛋白源を異にする2飼料区において,マウスの8週齢体重を大の方向に10世代にわたり,腹内選抜を行なった.得られたデータについて,次の3種類の方法,1) 各世代の雄と雌の平均選抜差と両親に対する親子回帰推定値の積,2) 各世代の雄と雌の平均選抜差と線型遺伝率推定値の積,3) YAMADA and SCHEINBERG1)が提示した方法,すなわち親から子への経路を4つに分割し,そこに雌雄間の遺伝相関の概念を導入した推定式をもって,期待反応量を推定し,実現反応量との適合性の良否について検討した.8週齢体重の親子回帰,および線型遺伝率推定値は0.52と0.54であった.雌雄間の遺伝相関係数は1より有意に小さく,0.78〜0.87であった.3種類の推定法のうち,YAMADA and SCHEINBERG1)が示した推定式による場合に最もよい適合が得られた.いずれの系統においても期待値は実現値より大きかったが,両者は有意に異なってはいなかった.実現値の期待値に対する比率は,大豆粕飼料区において0.93,大豆粕•酵母飼料区で0.79であった生また相関反応量については,実現値と期待値の適合はあまりよくなかったが,これは遺伝相関の標準誤差が大きかったためと考えられる.