茶の精密栽培地帯区分図の作成と温暖化シミュレーション
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概要
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関係者の常識としては明確であったが,厳密な科学的定義のなかった栽培地帯区分を明瞭にする方法を開発し初めて約1kmの解像度を持つ精密な区分図を作成した。これは,最寒月の日最低気温の月平均に基づくメッシュデータを利用したものである。栽培地帯区分に気温のメッシュデータを用いる最初の応用例である。栽培地帯区分自体の再検討も行い,従来の暖地,温暖地,冷涼地の他に,限界地,枯死域,亜熱帯を設定するべきという結論に達しその様に作図した。区分図はインターネットで公開予定であり,1ピクセル=1メッシュであるので,図から任意の地点の地帯区分が判定できる。この様な再利用可能で正確な位置指定の出来る地帯区分図はこれまでになかった試みである。区分図が作成できたので,将来の温暖化の対応を考えるため,各メッシュの温度を+2℃,+4℃,+6℃上昇させたデータに対して栽培地帯区分を行い,同様に図示した。この結果,現在でも栽培上の問題がある亜熱帯地域が拡大することが分かったので,この地域に対応する技術開発の加速が期待される。
- 日本茶業技術協会の論文
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