慢性非がん性痛患者における長期オピオイド療法による依存と嗜癖
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概要
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慢性非がん性痛における長期オピオイド療法は,効果的な治療法であるが,オピオイドによる嗜癖を来す可能性がある.慢性非がん性痛患者における嗜癖(addiction)は,オピオイドを強迫的に服用したり探し求める行動を意味し,精神依存を含むが身体依存と耐性は含まない.一方,依存(dependence)は身体依存,耐性,精神依存をすべて含む.慢性の痛みでオピオイドの投与量が徐々に多くなっている患者では,オピオイドの服用に問題がなければ,依存を生じている可能性はあるが,嗜癖は生じていないことになる.しかし,この2つの用語は混同して用いられることが多く,本稿では,このような混乱が,長期オピオイド療法による嗜癖の研究に障害となっていることを紹介する.最近,オピオイドによる嗜癖を予防するための長期オピオイド療法が提唱されているが,問題点も指摘されている.長期オピオイド療法に携わる医療関係者が,依存と嗜癖に関して知っておくべき項目について概説する.
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