進行がん患者の体性痛に対するトリガーポイント注射
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概要
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緩和ケア病棟に入院中の進行がん7症例の体性痛に対してベッドサイドで施行したトリガーポイント注射の有効性と副作用を後ろ向きに検討した.男性2症例と女性5症例で,平均69.1歳であった.痛みの部位は頸部が3症例,腰背部が4症例,肩が2症例,仙骨部が2症例,臀部が1症例で,いずれも局所に圧痛があった.痛みの原因は変形性脊椎症などの加齢性変性疾患が6症例で,がんの神経浸潤と褥瘡によるものが1症例ずつであった.計18回のトリガーポイント注射を施行し,痛みはフェイススケールで,ブロック前が平均3.3でブロック後は平均0.9と著明に軽減した.トリガーポイント注射は筋・筋膜痛に有効で,がんの神経浸潤や褥瘡の痛み,慢性肩関節周囲炎には無効であった.明らかな副作用や生命予後に影響を及ぼす有害事象はなかった.トリガーポイント注射は進行がん患者の筋・筋膜痛に有効で,安全な鎮痛法である.
著者
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