妊娠成立のための卵巣機能とその調節 : −黄体機能調節因子に関する最近の知見−
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概要
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妊娠が成立し維持されていくためには.卵巣および子宮が正常に機能していることが必要である.とりわけ,黄体から分泌されるプロジェステロンは妊娠の成立と維持に必須のホルモンであり,その分泌調節機構の解明は不妊症の新しい診断法や生殖の人為的制御法の開発にきわめて重要な意義を有する.黄体のプロジェステロン分泌をはじめとする内分泌機能が下垂体や子宮から分泌される内分泌ホルモンにより支配されているのはいうまでもない.しかし,黄体がプロジェステロン以外に多くの生理活性物質を合成分泌していることが明らかにされ,さらに,それらの特異的なレセプターの存在が黄体に証明されたことから,オートクライン,パラクライン機構による局所的な機能調節機構の存在していることが示唆されている.黄体内局所調節因子に関するこれまでの知見を集約すると,種々の因子は直接的あるいは,間接的に黄体のプロジェステロン分泌調節に関与していることが明らかにされつつある.さらに,局所因子間における相互作用の存在も示唆されている.黄体内局所調節因子は周期性黄体のみならず,妊娠黄体の機能維持に関しても何らかの重要な役割を果たしていると考えられる.
- 日本繁殖生物学会の論文
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