直腸脱をともなった重症便秘症に対して腹腔鏡補助下結腸亜全摘および直腸固定術を施行した1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
直腸脱をともなう重症の便秘症に対し結腸亜全摘術および直腸固定術を施行した.症例は36歳,女性.現病歴は20歳頃より便秘に対して下剤を内服し始め,最近では1日に80〜100錠服用し排便の度に直腸脱を認めていた.注腸検査では大腸全体にびまん性の拡張を認めた.バリウムを用いたtransit time studyでは2日目に右半結腸までしか進まず,5日目で直腸にバリウムが停滞した.直腸肛門内圧検査では肛門管随意収縮圧は低下し,直腸肛門反射は認めなかった.Defecographyでは不完全排出を認めた.以上の所見よりslow transit constipationをともなう重症便秘症および直腸脱と診断し,腹腔鏡補助下結腸亜全摘および直腸固定術を施行した.病理検査では神経の異常を認めなかった.術後下剤は服用せず,1日1〜2回の軟便となった.直腸脱をともなう重症便秘症に対して本術式は一つのオプションになり得ると思われる.
著者
-
清地 秀典
市立宇和島病院外科
-
梶原 伸介
市立宇和島病院外科
-
岩垣 博巳
国立病院機構福山医療センター 呼吸器外科
-
濱野 亮輔
国立病院機構福山医療センター外科
-
西江 学
国立病院機構福山医療センター外科
-
大塚 眞哉
国立病院機構福山医療センター外科
-
岩川 和秀
国立病院機構福山医療センター 外科
-
宮宗 秀明
国立病院機構福山医療センター外科
-
今井 良典
市立宇和島病院外科
関連論文
- 保存的治療が可能であった左半結腸切除後上腸間膜動脈症候群の1例:本邦報告47例の検討
- 白線ヘルニアの1例:本邦手術症例85例の検討
- 当院における下部胆管癌手術症例の治療成績
- 胃癌治癒切除後の転移性大腸癌切除例の検討
- 胃癌肝転移に対する手術適応の検討
- 補中益気湯術前投与による術後SIRSの制御
- 下部消化管内視鏡検査後に腸重積をきたした盲腸癌の1切除例
- 補中益気湯術前投与による術後SIRSの制御 (東洋医学の広場 急性疾患に対し漢方はどこまで対応できるか)
- 臨床報告 中毒性巨大結腸性イレウスで発症した結腸癌術後劇症型偽膜性腸炎の1例
- HP-080-4 開胸術後の胸腔ドレーン抜去についての検討(肺(周術期管理),ハイブリッドポスター,第109回日本外科学会定期学術集会)