無機イオン交換体を駆使した斬新な固体触媒の開発とグリーンプロセスへの応用
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概要
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高機能固体触媒の開発には,ターゲットとする反応に応じて触媒活性点近傍の構造や電子的状態を原子レベルで精密に制御する必要がある。我々は,Layered Hydroxy Double Salt の一種である Ni-Zn 複塩基性塩(NiZn), Ni1-xZn2x(CH3COO−)2x(OH)2·nH2O, のユニークな特性に注目し,触媒担体あるいはそれ自体を触媒とする斬新な触媒設計を行ってきた。本稿では,不安定なアニオン性遷移金属水酸化物錯体をアニオン交換によって NiZn 層間内へ安定担持する触媒設計や,反応場となる NiZn 層間スペースを精密制御する触媒設計,NiZn の構造中の孤立カチオンを Lewis 酸点として利用する触媒設計についてその概要を述べる。開発した触媒は,酸素分子を酸化剤とするアルコール類の酸化反応やホウ素化合物とエノン類の高効率 1,4-付加反応,水溶媒中での Knoevenagel 縮合反応や CO2 のエポキシドへの化学的固定化反応など,環境調和型物質変換反応へ応用した結果についても紹介する。
著者
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