赤外分光法による2次元分子凝縮系の分子構造解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
赤外分光法と組み合わせて使う多角入射分解(MAIR)分光法の原理と応用例を述べる。高分子のマクロ物性は,高分子を構成するモノマーの化学構造からだけでは理解できないことが多い。分子の構造だけでなく,分子間あるいは分子内相互作用がマクロ物性に大きく影響しているからである。このため,高分子のマクロ物性を分子構造から理解するには,分子間相互作用の異方性を的確に捉える分析手法が必要となり,赤外分光法はこの目的にかなった方法である。さらに,最近開発したMAIR 分光法を組み合わせることで,高分子薄膜の分子配向および分子間相互作用の異方性が強力に解析できるようになる。本稿では,MAIR 分光法の物理的概念を説明し,直鎖ポリエチレンイミンの表面コート膜の解析に実際に応用した例を使い,高分子薄膜の構造解析の手法を概説する。
著者
関連論文
- 赤外分光測定法-基礎と最新手法第I部 基礎編 : 第4回6. 赤外分光におけるケモメトリックス
- 仮想光計測という概念が拓く新しい薄膜構造解析 : 赤外MAIR分光法の原理と生体薄膜の構造解析
- 記録の価値 : 分析化学の楽しみ
- 多角入射分解赤外分光法の原理と実際
- 赤外分光法を用いた界面のはかりかた
- 計量化学が拓く新しい界面の光計測(計量生物工学-ポストIT時代の生物工学)
- 赤外MAIR分光法による階層構造化超分子フィルムの構造解析
- たわみ振動板を用いた小型超音波ポンプ(強力超音波)
- 赤外分光法による2次元分子凝縮系の分子構造解析
- 赤外分光測定法-基礎と最新手法第II部 各種測定法 : 第5回7A. 正反射測定法
- 赤外分光測定法-基礎と最新手法第II部 各種測定法 : 第5回7B. 薄膜・界面の外部反射測定法