高尿酸血症と心血管障害
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
高尿酸血症は高血圧患者の心血管事故の危険因子であることが報告されている.その原因として尿酸トランスポーターの役割が注目されている.尿酸トランスポーターURAT1は腎での尿酸再吸収を担い血清尿酸値を規定する分子であるが,近年URAT1が腎のみならず,血管や脂肪細胞に発現し尿酸を細胞内に取り込み細胞内レドックスの異常を惹起して血管の炎症やアディポサイトカインの分泌異常を惹起する.この事実は高尿酸血症による臓器障害は細胞内尿酸濃度の増加によると考えられる.一方で低すぎる血清尿酸値も相対的な酸化ストレスの増大が血管の攣縮を来して,腎不全のみならず心血管事故に関与する可能性が示されている.高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインに沿った高尿酸血症合併高血圧の管理が重要である.
著者
関連論文
- 痛風治療のエビデンス
- 末梢動脈疾患患者に対する, 運動リハビリテーションの心腎機能ならびに尿酸を含めた代謝に及ぼす影響
- 液体クロマトグラフィー-質量分析法(LC-MS)によるきのこ中のヌクレオシド, ヌクレオチドの定量
- 特別講演 血管障害のリスクとしての高尿酸血症--その機序と対策 (高尿酸血症・メタボリックシンドロームリサーチフォーラム 第3回研究集会)
- 循環器疾患における高尿酸血症の病態と臓器障害
- 血中・尿中プリン・ピリミジンの動態および病態
- 高尿酸血症の予後 (特集 痛風を基礎から学ぶ)
- 高尿酸血症と心血管障害
- 高尿酸血症と心血管障害