北日本の湿原に生息するササラダニ類 II. ミズノロダニ属の3種(英文)
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概要
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東北および北海道のミズゴケ湿原内の池塘岸縁から得られたミズノロダニ属の2種をヤマトミズノロダニHydrozetes japonicus sp. nov.サトミズノロダニH. harundinosus sp. nov.として新種記載した.前種はわが国の高層湿原に生息するミズノロダニ属の普通種で,背毛14対,生殖板毛8対,若虫に極めて長い黒毛が4対存在することなどから既知種と区別される.しかしこれらの形質は地方および個体群内での変異が大きいことが明らかになった.また飼育実験から,本種は蔵卵した最大5個の卵をまとめて産下したのち死亡する1回繁殖のササラダニと考えられた.成虫の排糞数は1日当たり最大でも15個と少ないものであった.後種は低地の湿原に生息する種で,背毛15対,生殖板毛7対,若虫の黒色長背毛6対等で既知種と区別できる.加えて,静岡県内のワサビ田から得られたミズノロダニ属の種は,胴感毛先端が強く膨らみ,生殖板毛6対,長い背毛13対,第IV脚に2本の爪,若虫に黒色長背毛が3対あることからHydrozetes lemnae (Coggi, 1897)と判断し,フタツメミズノロダニの和名を与えた.
著者
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