骨材に起因するモルタルブロックの白華挙動
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概要
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香川県さぬき市で生産された砂を使用して製造したモルタルの表面に白華が起きた.このような骨材に起因するモルタルの白華挙動を考察するために,白華を起こした砂と参照用としてそうでない砂について,バルクおよび表面組成を分析した.さらに,これらの砂を水やモルタル中を模擬したCa(OH)2懸濁溶液,アルカリ性のKOH溶液に浸漬し,白華に関連する成分の溶出挙動を調べた.その結果,白華を起こした砂では水中で可溶性のNa2SO4が溶出し,Ca(OH)2溶液やKOH溶液への浸漬ではNa2SO4以外にケイ酸中のケイ酸ナトリウムに由来するNa塩の溶出が起きた.このようなNa塩はモルタル中でCa(OH)2と反応して強アルカリのNaOHを生成し,それが大気中のCO2の吸収を促進してNa2CO3,NaHCO3,CaCO3などの炭酸塩を生じ,白華現象が促進されるものと推定される.白華を生じなかった砂では水やアルカリ溶液に浸漬することにより,モルタルブロックの白華物中では検出されなかった石膏(CaSO4)の溶出が起きた.