肺癌に対するロボット支援手術の経験 : —ダヴィンチロボット支援肺癌手術本邦第1例—
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
手術支援ロボットダヴィンチSサージカルシステムは,より複雑で細やかな手術操作を可能とし,3次元による正確な画像情報を取得できるため,より安全かつ侵襲の少ない手術を可能とするかもしれない.我々は肺癌症例に対し,このダヴィンチSサージカルシステムを使用し,肺葉切除+縦隔リンパ節郭清を行った.症例は56歳女性.右上葉肺腺癌cT1bN0N0 stage IAに対し,右上葉切除+縦隔リンパ節郭清を施行した.剥離操作はすべてダヴィンチシステム下に行い,術野展開,吸引操作とステープリングは助手が行った.手術時間は6時間48分,出血量は234gであった.多関節を有する器具は自由度が高く,胸腔内における剥離操作をより自然なものにする.これは,通常のVATSにおける直線的な器具での操作と比較して大きな利点であった.ダヴィンチシステムによるロボット支援は,今後のさらなるシステムの改良と相まって,これまで技術的に困難と考えられていた手術を可能とするかもしれない.
著者
-
服部 良信
藤田保健衛生大学 呼吸器外科
-
須田 隆
藤田保健衛生大学 呼吸器外科
-
杉村 裕志
藤田保健衛生大学病院 胸部外科
-
北村 由香
藤田保健衛生大学 呼吸器外科
-
栃井 祥子
藤田保健衛生大学 呼吸器外科
関連論文
- 胸腺腫瘍におけるTS,DPD,TPの免疫組織学的発現に関する検討
- 確定診断に難渋した胸腺腫瘍の1手術例
- 腺様嚢胞癌2例の治療経験
- 気管支鏡下擦過細胞診で肺腺癌と診断された肺膿瘍の1例
- 5.末梢性肺カルチノイドの1手術(第80回 日本肺癌学会中部支部会)
- 慢性外傷性胸部下行大動脈瘤の1例
- 78) 興味ある経過をたどった炎症性腹部大動脈瘤破裂の一例
- (15)急性発症したACTH産生胸腺カルチノイドの一手術例(第19回日本胸腺研究会)
- 31.肺腺癌術後の癌性胸膜炎・心膜炎に対し癒着療法が有効であった1例 : 第75回日本肺癌学会中部支部会
- 第32回医学教育者のためのワークショップ(富士研ワークショップ)の記録