胸膜播種,悪性胸水を伴う肺癌手術症例の検討D,E因子の亜分類の意義について
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概要
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胸膜播種,悪性胸水を伴った原発性肺癌手術症例98例を対象とし,病変切除の意義および現行の肺癌取扱い規約に定義されているD・E因子亜分類の予後因子としての意義を検討した.胸膜播種のみの症例は79例,悪性胸水のみが3例,両方を認めた症例は16例であった.98例全体の3年生存率は33.8%で生存期間中央値は2.1年であった.組織型は約8割が腺癌であった.29例の切除群(姑息的または根治目的)と69例の非切除群の生存率に有意差を認めなかった(p=0.36).また,D1群(n=30)とD2群(n=65)の生存率にも有意差を認めなかった(p=0.79).胸膜播種,悪性胸水を伴った原発性肺癌に対する病変の切除は予後改善には寄与しないこと,D因子は予後因子として機能していないことが示された.またE因子については,E2およびEp,Epnに亜分類された症例は殆ど存在せず,胸水の有無と細胞診の情報のみで十分であると考えられた.
著者
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永井 完治
国立がんセンター東病院呼吸器外科
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吉田 純司
国立がんセンター東病院胸部外科
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菱田 智之
国立がんセンター東病院胸部外科
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中尾 将之
国立がんセンター東病院胸部外科
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西村 光世
国立がんセンター東病院胸部外科
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菱田 智之
国立がんセンター東病院 呼吸器外科
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吉田 純司
国立がんセンター東病院 呼吸器外科
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