2006年ジョグジャカルタ地震は Sidoarjo泥火山の噴出を誘発したか?
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2006年5月26日に発生したジョグジャカルタ地震による地震動が,250km離れたインドネシアのSidoarjo泥火山の噴出を誘発した可能性について検討した。この泥火山は2006年5月から噴出を続けている。泥火山の近傍で生じた流体圧変化と地震発生の時間的な一致から,地震波がこの地域の地下流体の状態に影響を与えたことが示唆される。別の同規模の地震のデータを用いて,地震波による応力変化の大きさを見積った。応力変化はごくわずか(0.005から0.010MPa)であったが,他の地域であればこの程度の応力変化でも微小地震を誘発した場合がある。地震の数分後に流体圧変化が生じたようであり,これは地下流体が地震動に対して応答したことを示していると考えられる。2006年ジョグジャカルタ地震は,Sidoarjo泥火山で小さな流体圧変化をひきおこした可能性があるが,これが泥火山の噴出開始に直接関係しているかどうか評価することは困難である。
著者
関連論文
- 2006年ジョグジャカルタ地震は Sidoarjo泥火山の噴出を誘発したか?
- 2004年新潟県中越地震の発生過程 : オンライン合同余震観測結果から
- 1999年台湾集集地震(Mw=7.6)と断層摩擦決定のための断層帯の温度計測
- 2000年野島断層注水試験に伴う微少地震活動の観測
- 21100 断層破壊領域を考慮した緊急地震速報(地震情報(2),構造II)
- Chelungpu断層深部掘削に関する国際ワークショップ : Chelungpu断層による地震発生論議への解決を
- 岩盤からの電磁波放射確認に向けての基礎実験
- 花崗岩に衝撃を加えた時の電磁界放射実験
- 2006年ジョグジャカルタ地震は Sidoarjo 泥火山の噴出を誘発したか?