磁場環境下臓器凍結と超微小血管外科技術の融合〜臓器凍結実用化の可能性〜 : コラボレーション: 超微小血管外科 * 食品凍結技術
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概要
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科学的なアプローチによる臓器保存の試みは、1904年ノーベル賞受賞者のアレキシスカレルから始まる。その中で臓器凍結保存は、1950年代から本格的に始まった。しかし、凍結過程での氷晶形成や組織内浸透圧勾配の発生により細胞が著しく破壊され、臓器凍結は不可能とされてきた。その一方で、産婦人科領域では妊孕性温存を目的とした精子・卵子・受精卵等の凍結技術の進歩により、細胞や細断化した組織や薄切組織の凍結は非常に高い確率で成功し、ヒトへの臨床応用研究も報告され始めた。今回我々は、変動磁場環境下の凍結方法を用いて、細胞・組織ではなく、臓器そのものの凍結保存を試みた。この凍結技術は、日本国内の食品凍結技術開発企業が主に開発してきたもので、我々の有する超微小血管外科技術との異分野融合を図ることで、基礎実験のスピードアップと、これまで不可能とされた小臓器、特に生殖臓器の凍結保存が期待される。
著者
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中川 毅史
東京大学医学部形成外科・美容外科
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野口 修平
東京大学医学部形成外科・美容外科
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三原 誠
東京大学医学部形成外科・美容外科
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河合 達郎
ハーバード大学医学部
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大和田 哲男
株式会社アビー
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藤井 和博
株式会社アビー
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三原 誠
東京大学医学部形成外科·美容外科
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河合 達郎
ハーバード大学移植外科
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