黒毛和種繁殖雌牛における暑熱期の寒冷紗を用いたひ陰舎の防暑効果
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概要
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夏期の放牧時の暑熱対策として,ひ陰舎の防暑効果を明らかにすることを目的として,放牧地に遮光率51%, メツシュ1×1 mmの黒色寒冷紗を2枚重ねたひ陰舎を設置した. 環境温度として乾球温度(DBT),湿球温度(WBT),黒球温度(GT)を日射下とひ陰下で測定した.ウシの生理指標として直腸温(RT),平均体温(Tb),呼吸数(RR)などを日射下とひ陰下で,黒毛和種繁殖雌牛について,3日間ずつ測定した.環境温度についてはGTが日射区とひ陰区とで大きく異なり,日射を考慮した体感温度ET(DBT, GT)に有意差が認められた.生理指標は,日射区とひ陰区間でRTは差がはっきりしない場合があったのに対して,Tbは常に1%水準で有意差が認められた.また,ひ陰区ではRRの上昇が抑制されており,日射区で認められたパンティングが認められなかった.以上のことから,寒冷紗を用いたひ陰舎は,夏期の放射熱を防ぎ,黒毛和種繁殖雌牛の暑熱防止に有効であると考えられた.
- 社団法人日本畜産学会の論文
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